サマリー
◆食料品の消費減税が、早ければ2027年4月にも実施されるようだ。中東情勢の緊迫でエネルギーを中心に物価高が進んでおり、その影響は食料品にも徐々に広がっている。物価高は引き続きの課題だが、その対応策としての消費減税は高所得世帯への減税額が大きいなど費用対効果が悪く、価格転嫁が進む中で減税分ほど小売価格が下がらないことも考えられる。財政悪化への懸念で金利が上昇すれば、国内投資の喚起を目指す高市早苗政権の「危機管理投資」や「成長投資」に水を差すことになる。
◆消費税は社会保障を支えるための重要な安定財源だ。今後も高齢化への長期的な対応が求められる中、物価高対策として食料品の消費減税を実施するのであれば、予定通り2年間で終了し、給付付き税額控除へと円滑に移行する必要がある。制度移行によって高所得世帯の負担が高まるとみられるが、経済的支援の必要性はもともと低い。一方、中低所得者(世帯)への負担は抑えられ(あるいは一段と軽減され)、恒常的な制度になるため時限的な消費減税よりも生活の下支え効果は大きい。低迷する勤労世帯の平均消費性向の引き上げなども期待される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
2026年4-6月期GDP(1次速報)予測(改訂版)~前期比年率+2.5%に下方修正
直近公表の基礎統計を踏まえ、個人消費と外需をそれぞれ下方修正
2026年08月10日
-
2026年6月消費統計
半耐久財とサービスが弱く、総じて見れば前月から大幅に減少
2026年08月07日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

