サマリー
◆個人消費は、2026年初には概ねコロナ禍前の水準まで回復した。ただし、目的別の13項目に分けて見ると、コロナ禍前と比較して6項目が大きく水準を下げている。そこで、6項目それぞれで消費関数を推計し、可処分所得や金融資産、高齢化率等を考慮して長期均衡値を試算した。その結果、「被服・履物」「教育サービス」「アルコール飲料・たばこ」「家具・家庭用器具・家事サービス」の4項目の実績値は概ね長期均衡値並みか小幅な下振れにとどまったが、「外食・宿泊サービス」と「交通」の2項目は大きく下振れしていた。
◆下振れしている2項目でウエイトが大きい、外食、旅行、自動車の3つの産業に注目する。外食と旅行は相対価格が上昇しており、いずれも必需的な支出ではないため消費が抑えられている可能性がある。自動車は、都市への人口集中や世帯人員の減少、平均使用年数の長期化などにより、需要が低迷しているようだ。このような構造的な要因により消費行動が変化しているとみられ、2項目の長期均衡値との乖離は埋まりにくいだろう。
◆以上より、コロナ禍前と比較して水準が低い6項目の短期間での回復は期待しにくいといえるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
出産年齢から見るChild Penalty①
就業継続の広がりと先行研究から見える課題
2026年11月06日
-
消費データブック(2026/11/5号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年11月05日
-
2026年7-9月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+1.5%を予想~
個人消費は小幅減だった一方、設備投資と輸出が実質GDPを押し上げ
2026年10月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
-
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
-
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
-
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日

