2026年05月07日
サマリー
◆学校法人の経営は、少子化やインフレなどの影響により、既に過半が赤字に陥るなど厳しさを増している。財政制度等審議会財政制度分科会では、財務省が2040年までに全国の私立大学を少なくとも約250校程度(全体の4割程度)削減する数値目標を公表するなど、学校法人の生存競争は一段と熾烈なものとなる見通しである。
◆学校法人は生き残りをかけて、教育の質の向上や収益源の多様化に取り組む必要がある。その方策の一つが資産運用の高度化であるが、今のところ歩みは遅い。多くの学校法人は、依然として現金預金や債券中心の運用を続けており、インフレ下では資産の目減りが懸念される。
◆多くの学校法人では資産運用の規程こそあるものの、運用の目的、目標、方針などが定められていない。これらを定めることは、アセットオーナー・プリンシプル(AOP)の原則1に掲げられていることである。AOP対応を進めることは、資産運用の高度化に向けた第一歩となる。
◆学校経営同様に少子高齢化により、先行きが懸念されていた公的年金制度においては、運用体制の強化と基本ポートフォリオの見直しが、少なくとも今までのところは功を奏している。学校法人の資産運用高度化についても、しっかりとした目標、方針を定めて、前向きに取り組むか否かで、法人の存続が左右される可能性もあろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
女性のリスク性資産の投資拡大に向けて
制度拡充と就業支援に加え、今後は金融経済教育の拡充も重要に
2026年05月18日
-
AIが変える議決権行使助言業
中立性・客観性確保のための利用を訴求へ
2026年05月13日
-
エンゲージメントは促進か抑制か? : 日米政策の分化
大量保有報告制度とエンゲージメントに関する政策は日米で乖離へ
2026年05月07日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
-
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
-
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
いまさら人には聞けない 大量保有報告(5%ルール)のQ&A 【改訂版】
2024年金商法等改正法(2026年5月1日適用開始)を反映
2026年04月03日
検討進むガバナンス・コード改訂:2月案と4月案の相違点は
「解釈指針」は原則と一体という記述は削除。現預金への注目を避ける修文。
2026年04月10日
企業が意識すべきCGコード改訂案のインプリケーション
「金融資産」「実物資産」がコードに入った意味
2026年04月16日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

