サマリー
◆2023年11月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+2.5%となった。全国新コアコアCPI(除く生鮮食品、エネルギー)は同+3.8%であった。全国新コアコアCPIは3月以来の4%割れだ。物価の前年比は鈍化基調が明確化している。
◆コアCPIの前年比の動きを財・サービス別に見ると、耐久消費財、半耐久消費財及び非耐久消費財(除く生鮮食品、エネルギー)でプラス幅が縮小し、エネルギーではマイナス幅が拡大した。他方、サービスではプラス幅が拡大した。公共サービスの前年比はマイナス幅が拡大したが、一般サービスのプラス幅の拡大による寄与が上回った。
◆先行きの全国コアCPIは、2023年度で前年比+2.8%、2024年度で同+2.8%と見込んでいる。全国新コアコアCPIでは、それぞれ同+3.9%、同+1.9%の見込みだ。価格転嫁の更なる進展や、2024年春闘の賃上げ率が前年をやや上回ることで、賃金と物価の循環的な上昇メカニズムが安定的に機能するようになるとみている。日本銀行が目指している2%の物価安定目標の達成が視野に入るだろう。
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