サマリー
◆2023年7月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比▲2.7%と2カ月ぶりに減少した。ただし、振れの大きな項目を除いた実質消費支出(除く住居等)は同+0.1%と小幅に増加した。
◆供給側統計である商業動態統計によると、名目小売販売額は前月比+2.1%、CPIの財指数で実質化した小売販売額は同+1.8%といずれも増加した。複数の統計で補正したCTIミクロで見た実質消費は同+0.7%、CTIマクロでは同+0.2%であった。総じて見れば、2023年7月の個人消費は前月から小幅に増加したと判断される。
◆2023年8月の個人消費は前月から概ね横ばいで推移したとみている。9月以降は緩やかな増加基調を辿ろう。サービス消費の回復や自動車購入の増加が期待される。賃上げによる家計の購買力向上も個人消費の回復を下支えするだろう。他方、物価高は引き続きの懸念材料だ。度重なる値上げが消費マインドを再び悪化させる可能性には注意が必要だ。
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