サマリー
◆2023年5月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比▲1.1%と4カ月連続で減少した。10大費目別に見ると、「交通・通信」が全体を大きく押し下げたほか、「保健医療」や「家具・家事用品」などが前月から減少した。
◆供給側統計である商業動態統計によると、名目小売販売額は前月比+1.3%、CPIの財指数で実質化した小売販売額も同+1.3%といずれも増加した。複数の統計で補正したCTIミクロで見た実質消費は同▲0.5%、CTIマクロでは同▲0.1%であった。総じて見れば、2023年5月の個人消費は足踏みが継続したと判断される。
◆個人消費は、2023年6月も足踏みが継続したとみられる。7月以降は緩やかな増加基調を辿ろう。自動車販売やサービス消費の回復などが見込まれる。2023年春闘で高水準の賃上げ率が実現したことも、個人消費の回復を後押ししよう。ただし、物価高は引き続き懸念材料だ。消費マインドは改善傾向にあるものの、度重なる値上げにより再び悪化する可能性には注意が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
消費データブック(2023/7/4号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから足元の消費動向を先取り
2023年07月04日
-
2023年4月消費統計
実質消費支出は3カ月連続で減少
2023年06月06日
-
消費データブック(2023/6/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから足元の消費動向を先取り
2023年06月02日
-
2023年3月消費統計
個人消費は総じて見れば前月から横ばい
2023年05月09日
-
消費データブック(2023/5/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから足元の消費動向を先取り
2023年05月02日
-
2023年2月消費統計
個人消費は総じて見れば前月から小幅増
2023年04月07日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
-
2025年3月鉱工業生産
自動車工業や電気・情報通信機械工業など10業種が前月から低下
2025年04月30日
-
急速に広がる資格情報等のデジタル化
利用時に気をつけるポイントと求められるデジタルリテラシー
2025年04月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日