サマリー
◆2022年10月の消費は財・サービスともに前月から増加した。消費増税前の駆け込み需要の反動減により2019年の水準が低い点には留意が必要だが、財消費のうち百貨店大手3社の売上高やアパレル各社の既存店売上高は、新型コロナウイルス感染拡大前である2019年同期比で前月から伸び率が上昇した。新車販売台数は前月から大幅に増加した。サービス消費のうち、新幹線輸送量や旅客輸送量は2019年同期比で見たマイナス幅が前月から縮小した。宿泊需要や外食需要は、全国旅行支援やGo To Eat事業の開始の影響もあり前月から回復した。
◆11月の消費は、回復傾向には足踏みがみられるも、前月からおおむね横ばいで推移したとみられる。財消費のうち、百貨店大手3社の売上高やアパレル各社の既存店売上高は天候要因もあり、感染拡大前である2019年同期比で前月から伸び率が低下した。11月の新車販売台数は前月から減少した。サービス関連のうち、新幹線輸送量は北陸新幹線以外では2019年同期比でマイナス幅が前月から横ばい圏で推移した。小売店・娯楽施設の人出は感染「第8波」の影響もあり前月から小幅に減少し、感染拡大前の2019年同月の水準を5%程度下回って推移した。こうした動きを反映して、サービス消費は回復がわずかに減速したとみている。
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