サマリー
◆2022年8月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比▲1.7%と2カ月連続で減少した。振れの大きい住居等を除くベースでは同▲0.3%であった。3年ぶりに行動制限のない夏を迎え旅行を中心としたサービス消費が堅調だった一方、耐久財消費は総じて振るわなかった。
◆実質消費支出を財・サービス別に見ると、耐久財(前月比▲6.5%)の落ち込みが最も大きく、自動車や家電など幅広く減少した。非耐久財(同▲0.3%)も物価高の影響を受けて食料への支出などが減少した。一方、サービスは同+0.4%であった。
◆9月の消費は前月から小幅に増加したとみている。新型コロナウイルスの感染状況の改善を受けてサービス消費が緩やかに回復したようだ。10月以降も、全国旅行支援の実施により引き続きサービス消費がけん引する形で回復が継続しよう。ただし、食品などの値上げが相次ぐ中で家計の消費マインドが一段と悪化すれば、物価高が個人消費を下押しする可能性がある。
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