サマリー
◆2024年3月5日~11日に開催された第14期全国人民代表大会(全人代)第2回会議では、2024年の政府成長率目標は2023年と同じ前年比5%(以下、変化率は前年同月比、前年同期比、前年比)前後に設定された。5%成長の達成には、(1)緩和的な金融政策・拡張的な財政政策の継続、(2)不動産不況からの脱却、(3)「国進民退」(政策の恩恵が国有企業に集中する一方で、民営企業にはマイナスの影響が及ぶことがある)の改善、が不可欠である。しかし、2024年1月~2月の不動産関連統計によると、上記(2)の不動産不況は一段と悪化している。
◆不動産不況からの脱却に関連して、2024年1月以降、地方政府が資金調達を支援する不動産プロジェクトの「ホワイトリスト」が作成されている。ホワイトリストに基づく支援は始まったばかりであり、2月末までの関連融資額2,000億元は、2023年のデベロッパー全体の資金調達額の1.6%にとどまる。購入者の工事中断問題への懸念を払拭するには不十分だ。住宅市場の安定化に失敗すれば、2024年の実質GDP成長率は4.0%程度にとどまろう。
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