中国:消費拡大15次5カ年計画を読み解く

政府は低空飛行の継続を想定か。構造問題への処方箋は書かれず

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2026年08月03日

サマリー

◆「消費拡大第15次5カ年計画」は2030年の社会消費品小売売上を60兆元(約1,440兆円)前後とすることを数値目標に掲げた。年平均では3.7%増が必要な計算だ。コロナ禍の影響を除くため、2019年~2025年の6年間の社会消費品小売売上は年平均3.5%増であった。第15次5カ年計画期間中の消費は低空飛行の継続が想定されていることになる。

◆中国政府が重視するのは、サービス消費とデジタル消費の拡大である。特に注目されるデジタル消費では、「人工知能(AI)+消費」をキーワードに、デジタル製品(AI搭載のスマートフォン・パソコン・スマートウェアラブル・スマートロボット・デスクトップ型3Dプリンター・スマートコネクテッドカーなど)やデジタルサービス消費(AI+教育・医療・文化・観光・スポーツなど)、デジタルコンテンツ消費の拡大が目指される。いずれも中国が得意とするところであり、増加余地も大きいとみられる。

◆消費能力の向上は、消費拡大の肝である。しかし、「消費拡大第15次5カ年計画」では、(1)高品質で充分な雇用の促進、(2)多様なルートによる個人所得の増加促進、(3)社会保障制度のさらなる整備、(4)教育・医療・年金など公共消費の合理的な増加、など、抽象的かつ既存の政策の踏襲にとどまった。消費拡大にとって、不動産不況からの脱却による逆資産効果の圧縮が喫緊の課題であると思われるが、有効な政策は打ち出されていない。不動産不況がこれだけ長期化してもなお、地方政府にその改善・解決を委ねていることは大きな問題だ。消費拡大に向けた構造問題への取り組みは不十分といわざるを得ない。「消費拡大第15次5カ年計画」の目標達成には、大きな困難が待ち受けているということだ。

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