サマリー
◆2023年の中国の実質GDP成長率は前年比5.4%(以下、変化率は前年比、前年同期比)程度にとどまろう。3月の第14期全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)第1回会議では、2023年の政府成長率目標を5%前後としたが、それを上回る可能性が高い。それでも「とどまる」と表現したのは、2022年が第2次コロナショックの影響で低成長(3.0%)を余儀なくされた反動の域を出ないためである。景気は回復したが力強さに欠けたのは、不動産不況やリベンジ消費の不発によるところが大きい。さらに、この2つの元をたどると「国進民退」(政策の恩恵が国有企業に集中し、民営企業は放っておかれるかマイナスの影響が出る)に行きつく。
◆大和総研は2024年の中国の実質GDP成長率を4.3%程度と予想していたが、これを5.0%程度に引き上げる。2024年3月の全人代における政府成長率目標が2023年と同じ5%前後に設定される場合、引き続き拡張的な財政政策が取られよう。さらに、2023年11月以降、民営企業への強力なテコ入れが始まりつつあるなど好ましい変化も出始めた。民営企業への強力な支援が奏功すれば、民営デベロッパーへの信頼感がある程度回復し、不動産市場も安定化に向かうと期待される。一方で、政府成長率目標が4.5%程度に設定され、「国進民退」が続くようなら、2024年の実質GDP成長率は従来見通しの4.3%程度にとどまろう。
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