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「シェアワーカー認証制度」導入へ

2020年09月23日

経済調査部 主任研究員 市川 拓也

内閣官房で検討が進められてきた「シェアワーカー認証制度」が導入されようとしている。令和2年3月25日開催のシェアリングエコノミー検討会議(第16回会合)の資料(※1)によると、「トップワーカー認証」と「ベースワーカー認証」の2段階の制度案が挙げられている。具体的には、前者は「高品質なサービスを提供するシェアワーカーをプラットフォーマーが推薦し、事業者団体等が認証」する仕組みが考えられており、後者は「『インターネット上のマッチングプラットフォームを介して個人間でサービスを提供する際に必要となる基本的な事項』についての研修、自己チェック等により認証」を行う仕組みが想定されている。「2020年度中に認証を開始する」とあることから、年度内のスタートを目指していることになる。

シェアリングエコノミーに関する認証制度といえば一般社団法人シェアリングエコノミー協会が行っている「シェアリングエコノミー認証制度」がある。これはプラットフォーム事業者が同協会の自主ルールに適合していることを示すものであり、2017年7月に認証取得サービス第一弾が決定された。認証制度はサービス提供者や利用者の安心につながることから、筆者としては意義があると考えているが、これまでに認証を受けたサービス数が24(令和2年9月執筆時点)にとどまっている。要因としては、制度自体の認知がそれほど広がっていないことが考えられる。シェアワーカー認証制度についてもどこまで広く認知されるかが大きなポイントとなろう。

シェアワーカー認証制度も利用者の安心につながり、シェアワーカーにとっても利用者に選んでもらいやすくなると思われることから、導入に意義があると考える。したがって、この認証制度が広がることが望ましいと考えるが、一方で懸念材料がないわけではない。シェアリングエコノミーの提供者・利用者の質の担保は通常、相互評価によって成り立っていることから、同認証制度導入によって利用者の参考となる評価軸が2つあることになる。特に研修などで認証されるベースワーカーで、「①認証があるが相互評価が低い」ことがあるならば、「②認証がないが相互評価が高い」と比べ、どちらが良いのか利用者にわかりにくくならないだろうか。シェアワーカー認証の付与が、シェアワーカーの何をどこまで評価した結果なのかを利用者に明確にわかるよう透明性を持たせた制度となることを期待したい。

(※1)内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室/シェアリングエコノミー促進室「シェアワーカー認証制度について」(令和2年3月)(第16回 シェアリングエコノミー検討会議(令和2年3月25日、資料16-3)

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経済調査部
主任研究員 市川 拓也