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シェアエコ・ビジネス参入には何が必要なのか

2020年03月31日

経済調査部 主任研究員 市川 拓也

シェアリングエコノミーはここ数年、国内でも浸透してきた。民泊施設やカーシェア車両の増加、多様なスキルシェアがみられるなど、多面的に広がりをみせている。しかし一方で、既存の企業がこの流れをビジネスチャンスとして捉えるべきかの判断は容易ではない。企業が一歩を踏み出すには、事業に十分な価値があることが必要である。

シェアリングエコノミーは、提供者の有する遊休資産・スキルと利用者のニーズをプラットフォーム提供者であるシェア事業者が、インターネット上でマッチングするスキームが典型である。しかし、このほかにも、企業がインターネットを活用して、自らが保有・管理するモノをレンタルの形式で提供するものもある。既存の企業がとりあえずシェアの分野への参入を目指すならば、こうした「レンタル形式」は検討しやすいであろう。

ただし、事業として参入を検討するにあたっては、シェアリングエコノミーが世間に受け入れられる背景をよく理解しておくことが肝要である。シェアリングエコノミーのメリットとしては、インターネットの利用を通じた利便性の高さや容易に副業ができる点などが挙げられるが、シェアが環境負荷低減を通じて持続可能な経済社会の形成に寄与すると考えられる点も大きいとみられる。プラットフォームを通じて遊休資産・スキルを利活用するスキームのシェアであれば、余った資産等を用いるため持続可能な経済社会に資する。また企業が保有・管理するモノの「レンタル形式」であっても、モノの「所有から利用へ」を促し資源消費抑制を通じて持続可能な経済社会の形成に寄与することは可能である。

時代がシェアリングエコノミーを受け入れる背景にこうした側面があるならば、企業が新規に手掛けようとするシェアの事業も持続可能な経済社会に役立ち、かつ利用者に多くの共感を得られることが成功のために必要となる。シェアのスキーム如何より、こうした時流の根底にあるものをしっかりと反映した事業こそが、企業に大きな価値をもたらすものと筆者は考える。

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経済調査部
主任研究員 市川 拓也