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「外国人の子どもの不就学ゼロ」で就職先としての日本をアピールしよう!

2019年12月02日

経済調査部 研究員 矢澤 朋子

公立学校に通う外国人の子どもが増えている。筆者の子どもは公立小学校に通っているが、同じ学年には両親が中国人の子、バングラデシュ人の子、父親がアメリカ人の子がいる。文部科学省の「学校基本調査」によると、18年5月1日時点で公立学校(※1)には約9.3万人の外国人(※2)の児童生徒が在籍しており、前年と比べて+8.3%増加した。この前年比伸び率は5年連続で拡大している。家族の帯同が認められた在留資格を持つ外国人が増えたためである。

しかし、外国人の学齢相当の子どもの「不就学」も多い。文部科学省は今年の5~6月にかけて初めて外国人の就学状況の全国調査(※3)を行ったが、義務教育相当年齢の外国人の子どものうち最大2.27万人に不就学の可能性があると報告している(表参照)。

なぜ不就学の可能性のある外国人の子どもがここまで多いのか、今回の不就学調査ではその要因を特定するには至っていない。しかし、内訳の「③就学状況確認できず」及び「④差(住民基本台帳登録人数-就学調査対象人数)」に該当する子どもが全体の82.2%と非常に多くを占める点は注目される。不就学の原因特定には、まずなぜ就学状況が確認できない子どもがいるのか(多いのか)、なぜ住民登録人数と調査対象者の差が生じるのか(多いのか)をきちんと分析する必要がある。そうしなければ、不就学の実態を把握したり、適切な解決策を導き出したりすることはできない。また、「②出国・転居」に関しても実際の出国の有無や転居先での就学状況の確認をすべきである。

今回の不就学調査から指摘できる原因の一つは、外国人に対する子どもの就学情報の提供が徹底されていないことである。全国の地方公共団体(1,741団体)のうち37.3%は、外国人の子どもがいる家庭に就学案内を送付していない。また送付している場合でも、対象は小学校もしくは中学校「新入学」相当の年齢(※4)の子どもがいる家庭であるため、それ以外の義務教育相当年齢の子どもがいる家庭には就学情報は行き届いていないことになる。

地方公共団体は中長期在留の外国人と確実に接することのできる住民登録手続きの際にすべての外国人に対して就学案内を行うことで、情報伝達の不行き届きを最大限に防ぐことができよう(※5)。加えて、中国語、韓国・朝鮮語、ポルトガル語など在留割合の高い外国人の母国語での情報提供を増やしていくことも必要である。

日本は外国人労働者の受け入れ拡大に舵を切ったが、その需要を満たす外国人労働者を日本へ呼び込むために、そして日本社会が外国人を受容するために、この外国人の子どもの不就学問題を解決する必要があると考えられる。子を持つ親にとって、「子どもの教育」は常に頭を悩ます問題である。外国人労働者はより良い給与、労働環境を求めているが、子どもを帯同する場合、学校や教育環境に関しても熟慮すると考えられる。

(※1)小学校、中学校、高等学校、義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校。
(※2)「外国人」とは、日本国籍を有しない者とし、日本国籍との二重国籍者は含まない。
(※3)「外国人の子供の就学状況等調査結果(速報)」(令和元年9月27日)文部科学省。以下、本稿では「不就学調査」とする。
(※4)各地方公共団体が判断する年齢だが、概ね6-7歳及び12-13歳と考えられる。文部科学省は調査の際に年齢を明示していない。
(※5)不就学調査時点では全国の16.3%(284団体)が住民登録時の就学案内を実施しておらず、すべての者に就学の説明を行っている地方公共団体は43.0%(748団体)にすぎない。

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研究員 矢澤 朋子