2019年09月19日
「あなたの趣味はなんですか?」
初対面の人やお客様との距離を縮めるために非常に有用な質問だが、果たしてどれほどの人が即答できるのだろうか。筆者自身は、4年ほど前から週3~4回の頻度で通うほど“暗闇フィットネス”で身体を動かすことに夢中になっており、趣味と言えばこれになるが、必ずしも明確に回答できる人ばかりではなさそうだ。
直近(2018年)の博報堂生活総合研究所の「生活定点」調査によると、「1年を通して、楽しんでいる趣味がある」と答えた人の割合は49.1%、そして「1年を通して、何かスポーツをしている」と答えた人の割合は24.5%だそうだ。つまり、2人に1人は恒常的な趣味があり、4人に1人が恒常的に身体を動かしていることがわかる。
趣味がもたらす利点は多数ある。例えば、人脈が広がったり、ストレスを発散できたり、集中力が向上したりと枚挙に暇がない。まして、人生100年時代となれば、その趣味が健康的に身体を動かすことであれば申し分ない。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」によると、運動習慣を持つことでもたらされる効果として、メタボリックシンドロームを含めた循環器疾患、糖尿病、がん等の生活習慣病の発症リスクの低減や、加齢に伴うロコモティブシンドロームや認知症等の生活機能低下リスクの低減があげられている。ストレッチや筋トレをすれば、腰痛や膝痛の改善可能性が向上し、中強度の運動では風邪に罹患しにくくなることも報告されている。また、運動は将来的な疾病予防のみならず、気分転換やストレス解消につながり、メンタルヘルス不調の一次予防として有効であるとのことだ。
昨今、企業においても健康経営や定年延長の観点から、1人ひとりの社員の健康がますます重要視されるようになってきた。しかし、企業側の取り組みとしては、指示や情報提供を社員に向けて次々と一方的に投げ掛けるに留まっている場合が多く、やや消化不良感もあるのではないか。
いずれにしても、企業の働き方改革の進展で一般的には社員の自由時間は増加している。いわゆる「飲みにケーション」で発散するのもたまには良いが、まずは健康的な趣味を1つ選んで実行することをお勧めしたい。企業任せの健康増進ではなく、自発的かつポジティブな趣味の開拓は、プライベートだけでなく仕事にもプラスの影響があるだろう。
人生100年時代、何かと経済面のことばかりがクローズアップされている印象がある。もちろん、長生きにはお金も必要だが、少しでも長く働いて収入を得られるよう準備することも大切だろう。人生100年時代を健康に、楽しく過ごす観点からも、身体を動かす趣味を持つことが一番の近道ではないだろうか。
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