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地球温暖化対策分野を中心に、好調持続が期待される日本の環境ビジネス

2019年03月14日

政策調査部 主任研究員 伊藤 正晴

2019年2月22日に公表された環境省の「平成30年12月環境経済観測調査(環境短観)」によると、環境ビジネスを実施している企業から見た自社の環境ビジネス全体の調査時点における業況DI(「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いた値)は24であった。先の大和総研コラム(2018年9月11日付「さらなる成長が期待される日本の環境産業」)で紹介したように、前回調査(平成30年6月時点)の業況DIは25であったが、今回調査の業況DIもほぼ同水準となり、環境ビジネスは好調を維持しているようである。

日本銀行の「全国企業短期経済観測調査(短観)」では、2018年12月調査の業況判断DIが16(全規模合計・全産業)であり、全産業の状況と比べても環境ビジネスは好調と考えられる。また、前回調査での環境ビジネスの10年先を予測した業況DIは21であったのが、今回調査では24となり、環境ビジネスは長期的にもいっそう好調を維持する見通しとなっている。

環境短観では環境ビジネスを4つの分野に分けている。直近の業況DIは、「環境汚染防止」が24、「地球温暖化対策」が27、「廃棄物処理・資源有効利用」が17、「自然環境保全」が11で、すべての分野の業況DIがプラスである。また、半年先、10年先の予測についても、「廃棄物処理・資源有効利用」を除いて、業況DIは上昇、または直近の水準を維持する見通しとなっている。なお、10年先の「廃棄物処理・資源有効利用」の業況DIは13であり、調査時点より低下するものの決してマイナスになるわけではなく、環境ビジネスは幅広い分野で好調が持続すると期待されている。

もう少し具体的に環境ビジネスの展望を見てみよう。今後発展が見込まれる環境ビジネスについては、半年先では「省エネルギー自動車」を選択した企業の比率が26.9%で最も高く、次いで「再生可能エネルギー」が13.5%、「大気汚染防止用装置・施設」が8.5%となっている。また、10年先では「再生可能エネルギー」を選択した企業の比率が22.4%で最も高く、次いで「省エネルギー自動車」が18.8%、「蓄電池」が8.8%で、「再生可能エネルギー」と「省エネルギー自動車」を選択した企業が多い。「省エネルギー自動車」や「再生可能エネルギー」などの「地球温暖化対策」関連ビジネスが環境ビジネス拡大の牽引役となることが期待されていよう。

その背景には、2016年1月に発効した国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」で、「目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「目標13 気候変動に具体的な対策を」など、環境に関する目標が掲げられていることがあろう。また、2016年11月には気候変動に関する国際的な枠組みであるパリ協定が発効し、温室効果ガスの排出削減が国際的な課題となっている。

地球温暖化問題への対応は、高い技術力を持つ日本の環境ビジネスにとって大きな機会をもたらすと考えられる。実際、環境短観の「地球温暖化対策」の海外需給DIは直近で14だが、半年先の予測では17へと上昇し、10年先は31にまで達している。地球温暖化対策を中心とした日本の環境ビジネスの成長が世界の持続可能性の向上に寄与するとともに、日本経済の成長につながることが期待される。

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政策調査部
主任研究員 伊藤 正晴