コメ戦国時代の新米合戦
2017年09月11日
新米の季節がやってきた。炊き立てのみずみずしい新米は、心がときめくような輝きを放ち、口に入れればこの上ない幸せをもたらしてくれる。
先日お米屋さんを覗いてみたら、様々な産地の、様々な品種が並んでいた。「ななつぼし」「森のくまさん」「青天の霹靂」「淡雪こまち」「天使の詩」「にこまる」・・・名前を見るだけで「どんなお米だろう」と心が躍る。
世はコメ戦国時代。各産地が様々なブランド米を開発し、しのぎを削っている。
今では東京のお米屋さんで日本全国のお米が並ぶのは見慣れた光景であるが、実は10年前までは珍しい光景だったようだ。かつて関東地方では「お米と言えば東北」のイメージが強く、西日本のお米を取り扱うことは少なかったという。しかし、2011年の東日本大震災の際、西日本のお米が関東地方に流通したことをきっかけに、その後も店頭に並ぶようになった。このことを契機に、世はコメ戦国時代へと突入した。
品種開発だけでなく、「製法」といったさらに細かい部分でも競争は激しさを増している。一口に「コシヒカリ」といっても、製法にこだわることで、他との差別化を行っている例も多く見られる。
例えば、島根県の隠岐の島町で生産されている「島の香り隠岐藻塩米」は、島の伝統農法を現代風にアレンジした特別な製法で作られているコシヒカリだ。島で採れる「アラメ」という海藻を煮詰めてできる「藻塩」の水溶液を稲に散布することで、海のミネラルをたくさん吸収させ、お米に独特の甘みとしっかりとした食感を持たせている。時間が経つと、さらに甘みを増すところが特徴だ。
このように、地域の環境や伝統と深く結びついている米作りはとても魅力的に感じる。
今秋は、新潟県が「コシヒカリ」と並ぶ2大ブランドにしようと力を入れている大型新人「新之助」が本格デビューを果たす。さらに、山形県が「つや姫」と並ぶブランドにしようとしている「雪若丸」も来年の本格デビューに向けて準備を進めている。
今後コメ戦国時代はさらに激しさを増しそうだ。消費者である筆者としては、日本各地の創意工夫を凝らした様々なお米をいただく機会が増えると思うと、うれしい限りである。
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- 執筆者紹介
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経済調査部
エコノミスト 山口 茜
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