サマリー
◆高市早苗政権は税・社会保障の負担と給付の構造につき一体改革を行う方針で、給付付き税額控除をその有力な手段と位置づける。日本では低所得世帯全般の税・社会保障の純負担率が高い一方で、低所得の子育て世帯に対する給付や税の軽減が特に少ない。
◆これらを調整するための給付付き税額控除導入案につき、諸外国の例を参考に4類型15ケースの財政規模を試算し、執行面の課題を検討した。米国では約3割の誤支給が生じており、資産や所得の精緻な捕捉か誤支給の起こりにくい制度設計が課題となる。
◆また日本では、社会保険の被扶養者や年金生活者のいる世帯では純負担率が低く、新たな給付の対象とすることは適当でない。こうした現行制度の制約の下で早急に負担調整を行う場合は、労働所得に係る社会保険料の範囲で給付を行う「社会保険料還付付き税額控除」の導入が有力な選択肢になる。
◆これを第1ステップとした上で、所得や資産を捕捉する枠組みや税・社会保障制度の全体像などについての検討を進め、ニーズを的確に反映した精緻な制度へのアップデートを図るべきだ。
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