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「辛抱」の年を抜け、今年は日本の株式市場が「騒ぐ」年になるのか

2016年01月05日

濱田 真也

日本の株式市場は、昨日の1月4日に本年最初の取引日を迎えた。年始の取引日には、初立会を祝い、各地の証券取引所で大発会(だいはっかい)と呼ばれる催しが行われる。その様子はニュースなどに取り上げられることも多く、晴れ着姿の女性とともに新春の華やかなイメージがテレビでも放送される。また、大発会においては、時の内閣の金融担当大臣が挨拶を行うのがここ最近での通例となっている。第二次安倍内閣では経済政策に対する市場の評価として株式相場を特に重視していることもあり、年末の大納会(だいのうかい)と合わせて、その経済政策に対する姿勢をアピールする場としての色も強まっていることが感じられる。

さて、年始の株式相場に関して必ずと言っていいほど取り上げられる話題として、「ご祝儀相場」というものがある。これは、新年のお祝いを込めての買い注文が入ることによって、年始に上げ相場となるという経験則である。一方、年末にかけて手仕舞ったポジションを年始に買い戻すといった投資家の投資行動も、より現実的な裏付けとして挙げられる。そこで、日経平均株価について、年末年始での騰落率を見たものが図表1である。この結果はよく知られていると思われるが、1951~2015年の65年間ではおよそ3年に2年のペースで騰落率がプラスとなっていたことが確認できる。

しかし、バブルのピークをつけた1989年末までは日経平均が右肩上がりで上昇していたため、「ご祝儀」をもらわずとも騰落率がプラスになる確率は高かったであろう。一方で、1990年以降は、日経平均が一時バブルのピークの5分の1程度まで下落し、足元でも1990年の水準まで到底届かない状況である中、年末年始の騰落率はプラスになる傾向が強かった。最近におけるこの傾向が、経験則として投資への参考とされているようだ。

また、年始になると「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申酉(さるとり)騒ぐ、戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)つまずき、寅(とら)千里を走り、卯(う)跳ねる」(※1)という干支にちなんだ相場格言を引用して、その年の株式相場を占うといったことも行われている。これも同様によく知られたものであると思うが、各干支について、その年の年間騰落率を見たものが図表2である。もちろん単年で見れば、格言どおりでない場合も多いが、過去の平均的な傾向として見れば、格言が当たっていると思われる干支もある。

今年は申(さる)年であり、翌年の酉(とり)とともに「騒ぐ」年とされている。昨年12月には、FRBが9年半ぶりの利上げを決定し、2008年12月から続けていた実質ゼロ金利政策を終えることとなった。この利上げは既に市場に織り込まれていたため、それほど大きなインパクトはなかった。しかし、主要国でのこれまでの金融緩和の影響で、依然として債券、株式などの資産市場ではリスクプレミアムが圧縮されている状況である。この状況の中、FRBは景気回復の減速リスクを睨みながら、政策金利やバランスシートを正常化させていく難しい舵取りを迫られている。当局の金融政策によって大きく動きかねない地合いが続く中で、日本の株式市場もこの年を「騒がず」に乗り切れるかどうか、引き続き目が離せない状況である。

(※1)日本証券業協会ウェブサイト「金融・証券用語集」を参照。

図表1 年末年始での騰落率(日経平均株価)
図表2 各干支における年間騰落率(日経平均株価)

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