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アメリカで電車(Amtrak)に乗って見えたもの

2014年08月20日

政策調査部 主席研究員 土屋 貴裕

車社会のアメリカにあって、大都市であれば地下鉄があるが、概して鉄道の存在感は日本よりも小さい。多少の距離なら車で移動してしまうし、やや遠距離であれば飛行機を利用することになる。だが、ボストンからニューヨークを経由してワシントンDCに至る区間は例外とされる。電化され、アメリカ版新幹線とも言えるAcela(アセラ)特急が走り、運行するAmtrak(アムトラック)のドル箱路線とされている。もっとも、車社会であることを反映しているのか、多くの駅と駅前が思いのほか発展していない。

鉄道の駅は空港よりも都市の中心部にあって空港に行くよりも近く、近年空港での手荷物検査が厳しくなったことを踏まえると、必要な時間は飛行機とそう変わらず、むしろAmtrakを好んで利用する人も多いと聞く。日本の鉄道のような時間の正確性は期待できないが、実際には意外と遅れないものである。座席のグレードが分かれており、料金はグレード毎に需給を反映させているとみられ、曜日や時間によって異なり、安さを求めたければ早朝、深夜が狙い目となる。

先日、このAmtrakのファーストクラスに乗る機会を得た。当日の天気は問題なかったものの、翌日は悪天候でニューヨーク発の一部の飛行機が欠航になり、飛行機よりは天候の影響を受けにくい電車利用の効用があったようだ。ファーストクラスの車内サービスは従来の飛行機内と同じである。温かい料理が陶器の食器に盛り付けられて提供され、頼めばコーヒーなども随時用意してもらえる。

Amtrakのビジネスクラスはそうしたサービスはなく、日本の新幹線と同じと考えてよいだろう。移動だけであれば、食事などの提供を求める必要はなく、その分コストを減らすことができる。飲食が提供されない(有料の)飛行機旅行も増えてきた。逆に、従来の飛行機のサービスを求めるのであれば、電車でも料理が提供される、ということだろうか。飛行機と電車で、お互いのサービスが参考にできたのかと思う。九州で豪華な観光用の列車が作られ人気を集めているそうだが、日本でも電車内での料理の提供はニーズがあるかもしれない。

だが、かなり揺れるのである。乗り心地は日本の新幹線の方が格段に上である。アメリカ人に日本の新幹線にも体験乗車してもらい、感想を聞きたいところである。

各国で鉄道敷設が旅客と貨物の大量輸送を可能にして、経済発展の起爆剤になることがある。鉄道敷設の需要は必ずあるはずだ。時間や料金、乗り心地など、求めるサービスの需要は何だろうか。さまざまなニーズに応えるためには、さまざまなサービスがあって然るべきだろう。東京オリンピック・パラリンピックの開催の折には、各国で用いる鉄道の選択肢の一つとして、ぜひ訪日する外国人の方々に日本のインフラの素晴らしさを実感してほしいものである。

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政策調査部
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