休みすぎ?

2011年12月29日

3ヶ月前のコラムで取り上げたOWS(Occupy Wall Street)の動きだが、発祥の地ではスタートから約2ヶ月が経った11月中旬を境に下火になっており、本格的な寒さが到来するとともに一段と目に付かなくなるだろう。このまま自然消滅するのか、一時的な冬眠状態か判別できないが、大統領選挙・議会選挙をむかえる2012年には少なくとも一部の人々の主張としてフォーカスされていくだろう。

現職のオバマ大統領の支持率は、8月以降40%台で低迷したままである(以下、Gallup社調査に基づく)。再選を目指した過去の大統領と比較すると、選挙前年(つまり就任3年目)の11月時点の支持率は43%と、再選に失敗したカーター元大統領の40%に次ぐ低さ。民主党内で争わないオバマ大統領の場合、指名争いの長期化で有権者の注目をより集められた前回2008年とは異なり、今回はこれまでの実績をアピールするしかない。しかし、ブッシュ前大統領の負の遺産を引き継いだとはいえ、雇用者数は就任前の水準を約2.5%下回っており、失業率も高止まったまま。失業率とインフレ率(CPI上昇率)を足した悲惨指数Misery indexは高水準と、支持率が低迷する要素が揃っている。但し、同じく再選に失敗したブッシュ(父)元大統領は56%だったが、クリントン元大統領やブッシュ前大統領はそれより低くても再選しており、一概に支持率だけでは判断できない。当然ながら、選挙の勝敗は、争う相手である共和党の大統領候補者との比較になる。オバマ大統領を取り巻く環境が厳しいにもかかわらず、依然として消去法でオバマ?と思わせるのは、政権奪還を目指す共和党に絶対的な本命候補が見当たらないためだろう。

共和党の候補者選びは、支持率トップに躍り出たかと思えば、叩かれて後退するということを繰り返し、依然として混沌としている。遅れて手を挙げたペリー・テキサス州知事がトップに立ったかと思うと、討論会などの失言で大きく後退。代わって、黒人実業家が大きな注目を浴びたが、スキャンダル問題に見舞われて、事実上選挙運動から撤退した。そして、11月下旬からは、序盤戦で支持率低迷に喘いでいたギングリッチ元下院議長が復活して首位に立っている。一時は4割近い支持を集めて2位の候補者に大差をつけたものの、勢いは続かず、12月に入ってから差が大きく縮まっている。

このように、支持率トップの者がころころ変わるなかで万年2位を維持しているのが、2008年の大統領選挙にも出馬したロムニー・前マサチューセッツ州知事。長期間にわたって底堅い支持を集めており、ある意味、本命候補といえるかもしれない。しかしながら、ギングリッチ元下院議長との接戦も自らの支持率がアップしているというよりは、相手が落ちてきただけという事実にみられるように、必ずしも共和党支持者の受け皿にはなりきれておらず、20%台にとどまっている。いくら資金力のあるロムニー候補でも、内輪の争いに時間とお金を使い続ければ、オバマ大統領との本選まで体力を維持できるだろうか。支持率低迷にもかかわらず、オバマ大統領は潤沢な選挙資金を集めており、本選に向けて無駄なく使うことができる。共和党の指名争いは年明け早々の1月3日のアイオワ州党員集会から本格化する。

さて、オバマ大統領は、年末に期限切れを迎える給与税率の軽減措置延長等を、経済への打撃を回避するためにとりあえず2ヶ月間延長するという中途半端な形で12月23日妥協し、当初よりも遅れてクリスマス休暇に入った。ちなみに、当リサーチセンターの場合、ニューヨーク証券取引所に準拠することから、2012年の祝日は9日間と日本に比べて少ない。

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