サマリー
◆2024年5月の家計調査における二人以上世帯の実質消費支出は前月比▲0.3%と2カ月連続で減少した。他方、複数の需要側統計を用いて補正した世帯消費動向指数(CTIミクロ)で見た実質消費は同+1.7%と3カ月ぶりに増加した。供給側統計である商業動態統計では、CPIの財指数で実質化した小売販売額は同+0.8%と増加した。需要側統計と供給側統計を合わせて補正したCTIマクロは同+0.0%だった。業界統計などと併せて見れば、5月の個人消費は前月から小幅に増加したと判断される。
◆6月の個人消費は5月から減少したとみられる。7月以降は、個人消費は徐々に持ち直すだろう。24年春闘では前年を上回る高水準の賃上げ率が実現した。家計の所得環境の改善が個人消費の回復を後押しする見込みだ。ただし、物価動向には引き続き注意が必要だ。企業による価格転嫁が過度に進展し物価が上振れすれば、実質賃金の停滞が続き、個人消費の回復が遅れる可能性がある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
消費データブック(2024/7/3号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2024年07月03日
-
2024年4月消費統計
個人消費は引き続き停滞感の見られる内容
2024年06月07日
-
消費データブック(2024/6/6号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2024年06月06日
-
2024年3月消費統計
個人消費は総じて見れば前月から減少
2024年05月10日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4月貿易統計
輸出金額は7カ月連続の増加も、先行きの不透明感は継続
2025年05月21日
-
経済指標の要点(4/16~5/19発表統計分)
2025年05月19日
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)
民需は増加するも、純輸出の減少などで4四半期ぶりのマイナス成長
2025年05月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日