サマリー
◆日本政策投資銀行(DBJ)が公表した2019・2020・2021年度の全国設備投資計画調査(大企業)によると、2019年度の国内設備投資額(全産業)は前年度比+1.9%となった。2019年度は投資内容の精査のほか、米中貿易摩擦や年度末にかけて深刻化した新型コロナウイルス感染拡大の影響などによって前年度調査の計画を下回った。
◆2020年度の国内設備投資計画(全産業)は前年度比+3.9%となっている。当年度計画としては、減少が見込まれていた2009年度以来の低水準の伸びである。業種別では、製造業は同+8.1%、非製造業は同+1.4%と計画されている。
◆当年度の設備投資計画調査は上振れする傾向があることに鑑みると、2020年度の伸び率はマイナス圏で着地するとみている。ただし、大規模な感染拡大防止策が実施されたり、金融システムが不安定化したりしなければ、減少率はリーマン・ショック発生後の2009年度(前年度比▲16.7%)よりも小幅となろう。
◆2020年度の研究開発費計画の前年度比伸び率は前年度から大きく低下する見込みである。これに伴い、2020年4-6月期のGDP速報では研究・開発(R&D)産出額が前期から減少するように推計され、設備投資を下押しすることが見込まれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
拡大する「コロナオペ」の効果
金融危機を防ぐ日本銀行の取り組み
2020年07月07日
-
2020年5月機械受注
製造業は大幅減も非製造業に支えられ、民需は増加
2020年07月09日
-
日本経済見通し:2020年6月
「リベンジ消費」の賞味期限 -警戒すべき二つの「財政の崖」-
2020年06月23日
-
2020年4-6月期GDP(1次速報)予測~前期比年率▲27.3%予想
四半期ベースでは現行統計史上最大の減少率を見込む
2020年08月03日
同じカテゴリの最新レポート
-
経済指標の要点(9/13~10/15発表統計)
2025年10月16日
-
25年度最低賃金改定の総括と今後の焦点
新政権では欧州型目標の導入など最低賃金政策の再考を
2025年10月14日
-
ゼロクリックで完結する情報検索
AI検索サービスがもたらす情報発信戦略と収益モデルの新たな課題
2025年10月10日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日