サマリー
◆日本経済は猛烈かつ急速な縮小を経験したのち、4月下旬から5月上旬頃を底として、足下では一旦の回復局面を迎えている。回復の背景は緊急事態宣言の解除と、給付金等による家計所得の一時的な増加である。
◆これらを考慮に入れると、目先1-2か月の期間では、広く予想されているより急ピッチで国内消費の回復が実現する可能性も否定できない。その中で、一時的な牽引役として期待されるのは、耐久財(家電・乗用車など)や娯楽(旅行・行楽)など、自粛期間中に大幅に需要が落ち込んだカテゴリーの「リベンジ消費」である。他方、巣ごもり関連(バーチャルスペースやローカルエリアでの)消費への順風は縮小する見込みだ。
◆しかし急角度での回復は短期間で終わる公算が大きい。まず、給付金による需要刺激は一時的なものにすぎない。また、雇用調整助成金の効力縮小がもう一つの「財政の崖」を発生させる懸念も残る。雇用調整助成金の拡充措置が9月末に終了することを受け、既に597万人に上っている休業者が一気に失業者に転化するリスクも否定できない。
◆加えて、感染拡大の収束という、景気回復に向けた大前提が根底から覆るリスクも未だ残る。また、水準として大幅に低下した稼働率が、当面の設備投資や輸出の回復を抑制する公算も大きい。日本経済は、ごく短期的なV字回復を経験したのち、極めて緩慢な回復ペースに移行する可能性が高い。
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