サマリー
◆2020年5月の機械受注(船電除く民需)は前月比+1.7%と、減少が予想されていたコンセンサス(同▲5.0%)に反して、3ヶ月ぶりに増加した。非製造業の一部業種からの受注の大幅増が全体の増加に寄与した。しかし、均して見ると、製造業、非製造業ともに減少基調にあり、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、幅広い業種で設備投資意欲は減退している。
◆製造業は前月比▲15.5%と4ヶ月連続で減少した。その他製造業やはん用・生産用機械など、幅広い業種からの受注が減少した。一方、非製造業(船電除く)は同+17.7%と2ヶ月ぶりに増加した。運輸業・郵便業、金融業・保険業、通信業などからの受注増が全体を押し上げた。運輸業・郵便業からの受注は、4月に大きく減少していたが、5月は一旦回復した。
◆外需は、前月比▲18.5%と、3ヶ月連続で減少となった。各国での感染拡大防止策の影響を受けて大幅な悪化が続いている。
◆先行きの民需(船電除く)は、一進一退を続けながらも減少基調が続くだろう。企業業績の悪化に加え、不確実性の増大もあり、企業は能力増強投資や不急の維持更新投資を当面手控えるとみられる。ただし、テレワークや新型コロナウイルス感染防止対応のための投資や合理化・省力化投資などは緩やかに増加するとみられ、機械受注の一定の下支え要因となろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日