2020年5月機械受注

製造業は大幅減も非製造業に支えられ、民需は増加

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2020年07月09日

  • 経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆2020年5月の機械受注(船電除く民需)は前月比+1.7%と、減少が予想されていたコンセンサス(同▲5.0%)に反して、3ヶ月ぶりに増加した。非製造業の一部業種からの受注の大幅増が全体の増加に寄与した。しかし、均して見ると、製造業、非製造業ともに減少基調にあり、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、幅広い業種で設備投資意欲は減退している。

◆製造業は前月比▲15.5%と4ヶ月連続で減少した。その他製造業やはん用・生産用機械など、幅広い業種からの受注が減少した。一方、非製造業(船電除く)は同+17.7%と2ヶ月ぶりに増加した。運輸業・郵便業、金融業・保険業、通信業などからの受注増が全体を押し上げた。運輸業・郵便業からの受注は、4月に大きく減少していたが、5月は一旦回復した。

◆外需は、前月比▲18.5%と、3ヶ月連続で減少となった。各国での感染拡大防止策の影響を受けて大幅な悪化が続いている。

◆先行きの民需(船電除く)は、一進一退を続けながらも減少基調が続くだろう。企業業績の悪化に加え、不確実性の増大もあり、企業は能力増強投資や不急の維持更新投資を当面手控えるとみられる。ただし、テレワークや新型コロナウイルス感染防止対応のための投資や合理化・省力化投資などは緩やかに増加するとみられ、機械受注の一定の下支え要因となろう。

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