2017年03月28日
サマリー
◆日本銀行(以下、日銀)から2016年10-12月期の資金循環統計(速報)が公表された。11月からのいわゆるトランプ相場で株高・円安が生じたことから、全般に保有資産の時価上昇に伴う金融資産残高の押し上げが見られた。
◆家計の金融資産残高は、株価の上昇と季節要因(賞与)が残高の増加を牽引した。ただし、フローで見ると株式は売り越しとなっており、米国大統領選以降の株価の上昇による利益確定売りが進んだとみられる。
◆預金取扱機関(銀行等)は、これまで同様に国債の売却を進めているが、その売却代金が日銀当座預金として積み上がる状況が続いている。一方、貸出は、円安による外貨建て分の時価上昇も手伝い、大幅に増加した。
◆生命保険の金融資産残高は、金利上昇による国内債券の時価下落を主な要因に減少した。国内での運用難が継続する中、引き続き対外証券投資に積極的な様子が見られる。
◆事業法人(民間非金融法人企業)の金融資産残高は、株価上昇と円安により大幅に増加した。現金・預金残高は前期末に比べ若干減少したが過去(※1)2番目の水準である。資金調達を見ると、借入はプラス、株式等と事業債は若干のマイナスであり、マイナス金利政策の効果が一段落したことにより資本市場での資金調達を控えた形となっている。
◆年金は、株価上昇等の影響によるリスク資産の価格上昇が寄与し、金融資産残高が増加した。公的年金は、リスク資産を買い増す動きは小幅であったが、残高は増加しポートフォリオの再構築が進んだといえる。企業年金の対外証券投資は、フローはマイナスとなったが、円安により残高は増加した。
【「なるほど金融」の「おカネはどこから来てどこに行くのか 資金循環統計の読み方」もご参照ください。】
(※1)資金循環統計(四半期計数)の遡及計数について、現行基準(2008SNAベース)では、残高(ストック)は2005年1-3月期以降、取引フローは2005年4-6月期以降、データが提供されている。ただし、旧基準(1993SNAベース)では、残高(ストック)は1997年10-12月期以降、取引フローは1998年1-3月期以降のデータが利用可能である。
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