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資金循環統計(2016年7-9月期)

生保による対外証券投資は3期連続で過去最高の買い越し額を記録

金融調査部 主任研究員 中里 幸聖

金融調査部 研究員 飯嶋 カンナ

経済調査部 研究員 中田 理惠

金融調査部 研究員 森 駿介

サマリー

◆日本銀行(以下、日銀)から2016年7-9月期の資金循環統計(速報)が公表された。株高により家計、事業法人、年金等の金融資産残高が増えた一方で、金利上昇を背景に債券への資産配分の大きい預金取扱機関や生命保険の残高が減少した。


◆家計の金融資産残高は、株価の上昇による株式等の残高増加を主因に、3四半期ぶりに増加に転じた。但し、フローで見ると株式や投資信託等のリスク資産は資金純流出となっている。一方、低金利下における企業の積極的な個人向け社債発行を背景に、事業債への資金純流入が続き、資金純流入額は2000年以降で最大だった。


◆預金取扱機関(銀行等)は、これまで同様に国債の売却を進める一方、貸出や対外証券投資といったリスク資産を増やして(買い越して)いるが、依然として現預金の積み上がる状況が続いている。


◆生命保険の金融資産残高は、金利上昇による国債やその他債券の時価下落を要因に減少した。国内での運用難が継続する中、対外証券投資は3四半期連続で過去最高の買い越し額を記録した。


◆事業法人(民間非金融法人企業)の金融資産残高は、現金積み増しと株価上昇により増加に転じた。現金・預金残高は5四半期連続で過去最高を更新している。資金調達を見ると、借入はプラス、株式等は若干のプラス、事業債は若干のマイナスとなっており、マイナス金利に伴う事業債による資金調達は一段落した形となっている。


◆海外部門の金融資産残高は、株式等や貸出残高の増加により2四半期連続の増加となった。株式等のフローでは売り越しとなっていることから、残高増加分は株価上昇によるものと思われる。一方、ドル投円転コストの低下を背景に、国債・財投債への資金純流入は引き続き確認できた。

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