家計のマネーはリスク資産に向かうのか

資金循環統計(2014年4-6月期)

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2014年09月22日

  • 中里 幸聖
  • 島津 洋隆
  • 金融調査部 主任研究員 太田 珠美
  • 政策調査部 主任研究員 神尾 篤史
  • 経済調査部 研究員 中田 理惠

サマリー

◆日本銀行(以下、日銀)から2014年4-6月期の資金循環統計(速報)が公表された。株価の上昇等を背景として金融資産残高を増加させた主体が多い。


◆家計の金融資産残高は主に現金・預金の増加等を背景に過去最高額となった。インフレ率が上昇する中で、現金・預金を中心としたポートフォリオは資産の実質的な価値の減少をもたらす可能性がある。今後、リスク資産への大幅な移行が生じるか、注目される。


◆年金や生命保険では国内債券を売却し、よりリスクの高い株式・出資金、外債等への投資の動きが見られる。


◆事業会社(民間非金融法人企業)では、フローベースでの借入(民間金融機関の貸出)が▲2.6兆円となった一方で、株式・出資金(負債側=資金調達)は+0.5兆円と8四半期連続の流入超となった。借入の減少は季節性によるものとみられる。企業の資金調達需要が続いていると判断される。

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