大和のクリプトナビ No.3 ビットコインのポートフォリオ組入れ効果

GPIFの基本ポートフォリオをもとにした検証

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  • 金融調査部 研究員 森 駿介
  • デジタルソリューション研究開発部 田中 誠人

サマリー

◆GPIFの基本ポートフォリオを材料に、ビットコインを組み入れた際の効果を分析した。

◆ビットコインは、伝統的資産と比べてリターンが非常に高い上に、他資産との相関が低い。そのため、ある程度の水準までは、基本ポートフォリオへの組入れ比率を高めるほどシャープレシオ改善効果が期待できるとの結果が得られた。

◆しかし、ビットコインはボラティリティも高い。そのため、組入れ比率が高まるほど、ポートフォリオ全体の標準偏差(リスク)に占めるビットコインの寄与の割合が大きく高まる。例えば、組入れ比率が10%の場合、ポートフォリオ全体のリスクの半分がビットコインのリスクの大きさで説明できることになる。

◆過去のデータをもとにすると、組入れ比率が2%程度であれば、ポートフォリオのリスク特性をそこまで変えず、パフォーマンス改善が期待できるという結果となった。

◆実際に、米国のアセットオーナーを中心に暗号資産をポートフォリオに組み入れる事例が出てきている。もっとも、その組入れ比率は、高くても0.2%程度に留まっている。

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