サマリー
超高齢社会を乗り越え、また、財政の維持可能性を確保するには、それでなくとも増える負担増の幅を抑えるために、社会保障制度を効率化させることが必須である。これまでの日本の社会保障は引退層向けに偏っていた。
今後の超高齢化を見通せば一定の負担増は必要である。ただ、「社会保障・税一体改革成案」は高齢者医療制度や新しい年金制度がどういうものか明らかにしておらず、2010年代後半以降の政策論議はこれからである。
必要な社会保障改革と増税を実施していくためには、中期財政フレームなどのツールをうまく活用すること、増税と景気との関係について事前にルールを設定しておくことなどが必要だろう。
消費税増税には逆進性問題がつきまとうが、そもそも逆進的とはいえない面も強く、また、軽減税率はその効果とコストの面から考えて導入すべきではない。還付方式による軽減にも慎重であるべきである。
消費税増税の影響をシミュレーションした結果からは、税率引き上げは10年代半ばが好機であること、デフレから脱却しないうちは増税を回避すべきこと、10年代後半以降の政策が重要であることが示された。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
財政再建に関する最近の論点
やはり容易ではない基礎的財政収支の黒字化
2015年06月19日
-
日本家計中期予測
~2021年までの経済成長で、税・社会保障の負担増を乗り切る~『大和総研調査季報』 2012年春季号(Vol.6)掲載
2012年07月02日
-
日本経済中期予測(2011年6月)
大震災を乗り越え、実感ある成長をめざす日本経済
2011年06月16日
-
財政を維持するには社会保障の抑制が必要
社会保障の抑制幅が増税幅を決める
2010年12月21日
同じカテゴリの最新レポート
-
中小企業の従業員に資産形成機会の充実を
勤労者への資産形成機会の拡大、金融所得格差の是正に向けて
2025年12月29日
-
介護情報基盤の構築に向けた現状と課題
全国実施の遅れは地域包括ケアシステムの推進にもマイナスの影響
2025年07月10日
-
医療等情報の二次利用に向けた環境整備
医療DXの効果を可視化し、一次利用を広げることがカギ
2025年06月12日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
-
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日

