サマリー
◆企業行動がもたらした構造的なデフレについて焦点を当てると、製造業が労働コストを削減して海外市場での価格競争力を高めようとする行動が、結果的に円高とデフレ、内需低迷をもたらした。デフレ脱却と持続的な成長を実現するためには、制度と雇用環境の改善によって生産性を上昇させるだけでなく、生産性上昇によって増加した所得が国内へ分配される構造を作ることも重要である。
◆東日本大震災による原子力発電所の事故に伴う電力不足への対策としては、短期的にはCO2排出量の少ないLNGの利用拡大、中長期的には地熱や中小水力などの再生可能エネルギーによる発電の推進、太陽光や風力発電の適材適所での利用が望まれる。こうした優先順位が、供給力増強の時間的コストや経済的コスト、環境に対する負荷を総合的に踏まえて打ち出される必要がある。
◆本予測では、現行5%の消費税率を、社会保障と税の一体改革の一環として、2014年度に8%へ、2015年度に10%へ引上げることを前提した。消費増税は短期的に需要の減退、経済成長率の低下をもたらすが、超高齢社会を踏まえれば一定の負担増は不可避であり、この程度までの増税であればこなせる可能性が高い。ただし、目的は社会保障制度の持続可能性を確保することであり、社会保障給付の効率化なしに負担増を実施すべきではない。
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