サマリー
◆第14次5カ年計画(2021年~2025年)に続き、第15次5カ年計画(2026年~2030年)でも、政府成長率目標は設定されなかった。人口減少やハイペースで進む少子高齢化などの構造的な問題によって、中国の成長力が低下する中で、中期的にやや高めの成長率目標を設定し、それを達成する不確実性や難易度は大きく高まっている。これが、成長率目標を設定しない(できない)背景となっていよう。
◆第15次5カ年計画では、①現代的産業システムを構築し、実体経済の基礎を強固にする、②高水準の自立自強を加速し、新質生産力の発展を牽引する、③デジタル中国の建設を深く推進し、スマート化の発展水準を引き上げる、④強大な国内市場を建設し、新たな発展の枠組みの構築を加速する、などを重点に掲げた。③のデジタル中国は、2025年10月の基本方針では、独立した重点ではなかった。今後中国は「AI+」などを中心に経済のデジタル化、ネット化、スマート化を強力に推進していく構えである。しかし、これらは雇用を代替する側面が強く、それとのバランスには十分に配慮する必要があるだろう。
◆主要数値目標をみると、安全保障分野の食糧総合生産能力とエネルギー総合生産能力の増強が著しい。習近平政権では、「経済」の優先度が相対的に下がり、「安全保障」のそれが上がっていると指摘されるが、的を射ていよう。
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