2025年11月11日
サマリー
◆政策保有株式に係る有価証券報告書の開示項目についてかねて改正がなされてきている。2025年においても改正され、2025年3月31日以後に提出される有価証券報告書において、政策保有株式を純投資目的の株式に保有目的の変更を行った場合は最近5事業年度の保有状況や保有目的変更の理由等の開示が求められることとなった。
◆本稿では2023年10月末時点のTOPIX500構成企業を金融機関と事業会社に分け、それぞれについて政策保有株式(上場株式に限る)の保有状況と縮減状況を検証した。2023年から2024年にかけて(本稿の分析で「年」は当年10月~翌年9月を指す)、政策保有株式の銘柄数および保有額の両方について縮減傾向が見られた。
◆事業会社が保有する政策保有株式の銘柄数(延べ数)は2023年の約10,500銘柄から2024年の約9,400銘柄まで11%縮減され、金融機関が保有する政策保有株式の銘柄数(延べ数)は2023年の約8,200銘柄から2024年の約7,000銘柄まで15%縮減された。事業会社が保有する政策保有株式の合計額は2023年の約29兆円から2024年の約24兆円まで18%縮減され、金融機関が保有する政策保有株式の合計額は2023年の約28兆円から2024年の約21兆円まで26%縮減されていた。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
政策保有株式の開示に関する課題と展望
TOPIX500採用銘柄の開示状況から得られる示唆
2025年10月29日
-
開示府令の改正(政策保有株式の開示拡充)
政策保有株式を純投資目的へ振り替えることに対するけん制
2025年02月26日
-
政策保有株式の開示拡充とその影響
全上場会社の純投資目的への振替え状況と記載内容を踏まえて
2024年12月13日
-
政策保有株式の保有と縮減の状況
銘柄数は縮減傾向も保有額は増加の傾向
2024年12月11日
-
金融機関における政策保有株式の縮減
純投資目的への振替えも一部で見られる
2024年03月27日
-
縮減が進む政策保有株式とその効果
TOPIX500構成企業の縮減状況、その議決権行使やCFへの影響を分析
2024年02月02日
同じカテゴリの最新レポート
-
政策保有株式の開示に関する課題と展望
TOPIX500採用銘柄の開示状況から得られる示唆
2025年10月29日
-
令和6年金商法等改正法 大量保有報告制度の改正内容の詳細
みなし共同保有者の範囲から夫婦を除外、役員兼任関係は対象に
2025年10月07日
-
企業価値担保権付き融資の引当等の考え方
将来情報・定性情報を適切に債務者区分・格付に反映
2025年09月01日

