政策保有株式の保有と縮減の状況

銘柄数は縮減傾向も保有額は増加の傾向

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サマリー

◆2024年11月26日に金融庁は「『企業内容等の開示に関する内閣府令』等の改正(案)」(以下、開示府令改正案)を公表した。これは、有価証券報告書等における「株式の保有状況」の開示のうち、政策保有株式を純投資目的の投資株式に保有目的の変更を行った場合の開示項目を拡大するものである。

◆本稿では2023年10月末時点のTOPIX500構成企業を金融機関と事業会社に分け、それぞれについて政策保有株式(上場株式に限る)の保有状況と縮減状況を検証した。2022年から2023年にかけて、政策保有株式の銘柄数を縮減する傾向は見られたが、その保有額については増加する傾向が見て取れた。

◆業会社が保有する政策保有株式の合計額は2022年の約24兆円から2023年の約29兆円まで22%上昇し、金融機関が保有する政策保有株式の合計額は2022年の約22兆円から2023年の約28兆円まで27%上昇していた。政策保有株式の縮減が進められているのにもかかわらず、保有額が増加している要因として近年の株高が挙げられる。

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