金融機関における政策保有株式の縮減

純投資目的への振替えも一部で見られる

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サマリー

◆鈴木俊一財務大臣兼内閣府特命担当大臣が、損害保険会社が保有する政策保有株式に関して発言したことを受けて、改めて金融機関等が保有する政策保有株式に対する関心が高まっている。本稿では、2023年10月末時点のTOPIX500構成企業のうち金融・保険業を対象に、政策保有株式の状況について調査および分析を行った。

◆2018年から2022年にかけて、政策保有株式の銘柄数、貸借対照表計上額の合計額、純資産比のいずれについても減少傾向が認められた。

◆政策保有株式を縮減するにあたり、そのまま売却処分するのではなく、「保有目的が純投資目的である投資株式」への振替えを行っていた金融機関が、この5年間では対象41社中10社あった。「政策保有目的」から「純投資目的」への振替えに対しては、十分に説得力のある説明が欠かせないものと思われる。

◆対象41社中13社においては、コーポレート・ガバナンスに関する報告書に縮減の目標を具体的に記載しているなど、積極的に政策保有株式の縮減に取り組んでいることがうかがわれる事例も確認できた。

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