2024年03月27日
サマリー
◆鈴木俊一財務大臣兼内閣府特命担当大臣が、損害保険会社が保有する政策保有株式に関して発言したことを受けて、改めて金融機関等が保有する政策保有株式に対する関心が高まっている。本稿では、2023年10月末時点のTOPIX500構成企業のうち金融・保険業を対象に、政策保有株式の状況について調査および分析を行った。
◆2018年から2022年にかけて、政策保有株式の銘柄数、貸借対照表計上額の合計額、純資産比のいずれについても減少傾向が認められた。
◆政策保有株式を縮減するにあたり、そのまま売却処分するのではなく、「保有目的が純投資目的である投資株式」への振替えを行っていた金融機関が、この5年間では対象41社中10社あった。「政策保有目的」から「純投資目的」への振替えに対しては、十分に説得力のある説明が欠かせないものと思われる。
◆対象41社中13社においては、コーポレート・ガバナンスに関する報告書に縮減の目標を具体的に記載しているなど、積極的に政策保有株式の縮減に取り組んでいることがうかがわれる事例も確認できた。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
縮減が進む政策保有株式とその効果
TOPIX500構成企業の縮減状況、その議決権行使やCFへの影響を分析
2024年02月02日
-
政策保有株式の開示状況と今後の対応
TOPIX500採用銘柄における有価証券報告書での開示を集計
2023年01月31日
同じカテゴリの最新レポート
-
日本版スチュワードシップ・コード改訂
5年ぶりの改訂の目的は協働エンゲージメント推進と実質株主把握
2025年06月27日
-
株主優待設計の際に考慮すべき法的論点
配当とみなされないようにした上で、株主平等原則に配慮した設計を
2025年06月17日
-
英国スチュワードシップ・コードの簡素化
機関投資家のコード対応における負担を軽減、開示事項の削減
2025年06月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日