政策保有株式の開示に関する課題と展望

TOPIX500採用銘柄の開示状況から得られる示唆

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サマリー

◆有価証券報告書における政策保有株式に関する開示について、保有目的、取締役会等での検証内容、保有の合理性の検証方法などに関する課題が指摘されている。こうした課題について、金融庁の令和7年度の有価証券報告書レビューで改めて全ての提出会社を対象に審査が行われている。

◆TOPIX500採用銘柄の開示状況を調査した結果、保有目的や保有に関する検証内容・方法、保有目的を純投資に変更した政策保有株式について、より具体的な開示が必要であると考えられる。また、東京証券取引所のコーポレートガバナンス・コードで求められる政策保有株式に係る議決権行使の基準や売らせない圧力について、有価証券報告書で開示をしているケースも見受けられた。

◆政策保有株式に関する開示は、コーポレートガバナンス・コードの見直しや有価証券報告書の株主総会前の開示など、様々な取り組みに関連している。課題点が改善されるのか、開示がさらに拡充される可能性もあるのか等、今後も政府の動向が注目される。

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