サマリー
◆2025年1月の貿易統計によると、輸出金額は前年比+7.2%と4カ月連続で増加した。3カ月連続で前年比円安ドル高となったことで輸出価格が押し上げられたことが主因だが、数量ベースでは同▲1.7%と3カ月連続で減少しており、実態は良い数字とはいえない。特殊要因の影響もあり、輸入金額は同+16.7%と急増した。輸入金額の季節調整値は前月比+4.7%と3カ月連続で増加した。貿易収支は▲2兆7,588億円と2カ月ぶりの赤字となり、季節調整値では▲8,566億円と、44カ月連続の赤字となった。
◆2025年1月の輸出数量は前月比▲8.4%と2カ月ぶりに減少した。3カ月後方移動平均で見ても、同▲1.1%と5カ月ぶりに減少に転じており、前月急増した反動を差し引いても、弱い基調といえる。自動車や自動車の部分品の輸出が振るわず、指数全体を押し下げた。EU向け(同▲24.9%)、米国向け(同▲12.9%)、アジア向け(同▲5.2%)のいずれも減少した。アジア向けのうち中国向け(同▲9.6%)は2カ月ぶりに減少に転じた。
◆先行きの輸出数量は均して見れば横ばい圏で推移するとみている。シリコンサイクル(世界半導体市場に見られる循環)の回復を背景とした半導体関連財の輸出増が引き続き期待できる一方、米国経済の緩やかな減速を背景に、輸出全体は伸び悩む見込みだ。なお、米トランプ新政権による関税引き上げ措置がエスカレートすれば、世界的に貿易や景気が停滞して外需が縮小するリスクがある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2024年12月貿易統計
円安による輸出価格の上昇を背景に貿易収支は6カ月ぶりの黒字に
2025年01月23日
-
米GDP 前期比年率+2.3%と減速
2024年10-12月期米GDP:しかし、屋台骨の個人消費は堅調
2025年01月31日
-
10-12月期ユーロ圏GDP ゼロ成長に失速
ドイツ、フランスのマイナス成長が足を引っ張る
2025年01月31日
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年11月雇用統計
失業者数が減少し、雇用環境の改善が進む
2025年12月26日
-
2025年11月鉱工業生産
自動車の減産などが押し下げ要因/当面の間は軟調な推移を見込む
2025年12月26日
-
トランプ関税の影響緩和に作用した企業対応
自動車は関税負担吸収で他企業への波及回避/機械は価格転嫁
2025年12月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

