サマリー
◆2024年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.3%と2024年7-9月期から減速し、市場予想(Bloomberg調査:同+2.6%)を下回った。内訳を見ると、屋台骨である個人消費がけん引役となった。設備投資は2021年7-9月期以来のマイナスとなった一方で、住宅投資は3四半期ぶりにプラスに転じた。米国経済の自律的な成長を反映する民間最終需要は2四半期連続で同+3%を上回っており、米国経済は内需中心に堅調さを維持したと評価できる。総じてみれば、ヘッドラインの下押し要因は民間在庫であり、民間最終需要は好調を維持したことから、十分堅調な結果といえる。なお、2024年全体で見ると、前年比+2.8%となった。
◆2025年上半期については、+2%前後とされる潜在成長率程度で底堅く推移することがメインシナリオとなる。雇用環境が底堅さを維持する中で、個人消費は引き続き堅調さを維持すると予想される。設備投資については、大統領選挙を巡る短期的な不透明感が解消された点は押し上げに寄与するとみられる。住宅投資については、災害からの復興需要が押し上げ要因になり得る。他方で、FRBによる金融政策は緩やかな利下げペースに留まると見られており、金利に敏感な設備投資や住宅投資の抑制要因となろう。また、トランプ新政権の政策運営の不確実性が、米国経済の重石となる恐れがある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米国経済見通し 駆け込みの反動一巡後の注目点は?
追加関税措置次第となる中、トランプ大統領を“TACO”と嘲るべからず
2025年06月24日
-
FOMC 様子見姿勢を継続
経済指標の基調の捉えにくさと正確性への懸念は利下げ遅延リスクを高める
2025年06月19日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日