サマリー
◆2024年4月の生産指数は前月比▲0.1%と2カ月ぶりに減少した。輸送機械工業(除.自動車工業)で前月からの反動減が表れたほか、自動車工業は一部車種の生産停止の影響で減産に転じた。その他の業種では、シリコンサイクル(世界半導体市場に見られる循環)の回復を背景に半導体製造装置で増産が見られた生産用機械工業の指数が上昇した。経済産業省は基調判断を「一進一退ながら弱含み」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は緩やかに上昇するとみている。国内の自動車の生産体制がおおむね正常化したことから、受注残を解消するための挽回生産が見込まれる。また、半導体関連財の生産は引き続き増加するとみている。ただし、輸出管理規制の強化によって、中国での半導体関連財の販売額が落ち込み、日本の生産指数を下押しするリスクには注意が必要だ。
◆2024年6月7日に公表予定の4月分の景気動向指数は先行CIが前月差▲1.0ptの111.2、一致CIが同+0.9ptの114.5と予想する。予測値に基づくと、4月の基調判断は機械的に「下方への局面変化」に据え置かれる。
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