サマリー
◆2024年3月の生産指数は前月比+3.8%と3カ月ぶりに上昇した。自動車メーカーの工場稼働再開の影響で、自動車工業が増産となった。品目別では、特に普通乗用車や普通トラックの増産幅が大きかった。その他の業種では、シリコンサイクル(世界半導体市場に見られる循環)の回復局面入りを背景に、生産用機械工業や電子部品・デバイス工業が増産となった。経済産業省は基調判断を「一進一退ながら弱含み」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は、横ばい圏で推移するとみている。シリコンサイクルの回復局面入りや、自動車メーカーの工場稼働再開などが生産を下支えするだろう。他方、米欧での景気減速などは生産の押し下げ要因だ。
◆2024年5月9日に公表予定の3月分の景気動向指数は先行CIが前月差▲0.4ptの111.4、一致CIが同+2.4ptの114.0と予想する。予測値に基づくと、3月の基調判断は機械的に「下方への局面変化」に据え置かれる。
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