サマリー
◆2024年2月の生産指数は前月比▲0.1%と2カ月連続で低下した。引き続き自動車メーカーの一部工場の稼働停止の影響が大きい。自動車工業では、特に普通乗用車や普通トラックの減産幅が大きかった。また、生産用機械工業では半導体製造装置が減産となった。経済産業省は基調判断を「一進一退ながら弱含み」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は、横ばい圏で推移するとみている。シリコンサイクル(世界半導体市場に見られる循環)の回復局面入りなどが生産を下支えするだろう。他方、米欧での景気減速などが生産指数を押し下げ要因だ。なお、自動車メーカーの一部工場の稼働停止で、生産指数の水準は当面下押しされるものの、影響は徐々に剥落するとみられる。
◆2024年4月5日に公表予定の2月分の景気動向指数は先行CIが前月差+2.3ptの111.8、一致CIが同▲1.1ptの111.0と予想する。予測値に基づくと、2月の基調判断は機械的に「下方への局面変化」に下方修正される。
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