サマリー
◆2024年1月の生産指数は前月比▲7.5%と2カ月ぶりに低下した。大幅な低下の主因は自動車メーカーの一部工場の稼働停止だ。大幅減産となった自動車工業では、特に普通乗用車や駆動電動・操縦装置部品の減産幅が大きかった。また、汎用・業務用機械工業や生産用機械工業といった業種でも減産が目立った。経済産業省は基調判断を「一進一退ながら弱含み」に下方修正した。
◆先行きの生産指数は、横ばい圏で推移するとみている。中国経済の回復や、シリコンサイクル(世界半導体市場に見られる循環)の回復局面入りなどが生産を下支えするとみている。他方、米欧での景気減速などが生産指数を押し下げるだろう。なお、ダイハツ工業の工場稼働停止で、生産指数の水準は当面下押しされるものの、影響は徐々に縮小するとみられる。また、トヨタ自動車の工場稼働停止の影響で、普通乗用車などの生産指数が下振れする可能性にも注意が必要だ。
◆2024年3月8日に公表予定の2024年1月分の景気動向指数は先行CIが前月差+0.1ptの110.3、一致CIが同▲7.4ptの108.5と予想する。予測値に基づくと、1月の基調判断は機械的に「改善」に据え置かれる。
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