サマリー
◆原油価格の乱高下が続いている。米国とイランの停戦合意によって6月末に70ドル/bbl台まで低下した原油価格(北海ブレント)は7月に入って再び上昇に転じ、一時100ドル/bbl超に達した。その後、米国によるイランへの大規模攻撃が見送られることが伝えられ、原油価格は急激に下落したものの、停戦合意直後の6月末時点と比べればまだ2割程度高い水準にある。
◆6月末から7月初旬にかけて原油価格が低下する局面では、消費者信頼感指数をはじめとするマインド統計の改善が見られた。しかし、原油価格が上昇したことで再び悪化に転じる公算が大きい。4-6月期のユーロ圏経済は意外にも底堅く推移したが、先行きの下振れリスクは高まっている。
◆ECBは7月22日・23日の理事会で政策金利を据え置いた。だが、原油価格が再び上昇したことで、インフレ率の上振れに対する警戒感は強まっており、追加利上げの可能性が高まった。他方、ECBは原油価格上昇の二次的影響はまだ確認されていないという見方であり、どこまで利上げを続けていくかは、賃金を中心とした二次的影響の広がりが重要となる。
◆英国では7月20日、アンディ・バーナム氏が新首相に就任した。労働者の生活を重視し、より「大きな政府」を志向するバーナム首相は、就任早々、生活費高騰対策として電気料金の減税、公共交通料金の引き下げなどを発表した。
◆一方、金融市場では財政規律への注目が強い状況が続いている。現状、バーナム新政権の政策運営には財政規律への配慮が見られるが、財政余力が限られる中、財政規律と政策の実現をいかに両立していくかが今後の課題となる。
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