サマリー
◆2023年9月の生産指数は前月比+0.2%と3カ月ぶりに上昇した。自動車生産は復調したものの、生産用機械工業および電気・情報通信機械工業における資本財やその部品の生産が下振れし、生産指数は8月の製造工業生産予測調査における予想値(補正値)を大きく下回った。経済産業省は基調判断を「一進一退」に据え置いた。
◆先行きの生産指数は横ばい圏での推移が継続するとみている。2024年前半にかけて自動車の挽回生産が全体を下支えするだろう。他方、資本財の生産は軟調に推移するとみている。国内外で資本財需要の下振れリスクが高まっていることに加え、「在庫調整局面」入りによって幅広い財の生産が抑制されやすくなっている点には注意が必要だ。
◆11月8日に公表予定の9月分の景気動向指数は先行CIが前月差▲0.1ptの109.1、一致CIが同+0.1ptの114.7と予想する。予測値に基づくと、9月の基調判断は機械的に「改善」に据え置かれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2023年8月鉱工業生産
自動車工場の稼働停止などを受け生産指数は前月から横ばい
2023年09月29日
-
2023年7月鉱工業生産
半導体製造装置の大幅減産で生産指数は前月比マイナスに転じる
2023年08月31日
-
2023年6月鉱工業生産
自動車の挽回生産に応じた部品の増産等で生産指数は上昇
2023年07月31日
同じカテゴリの最新レポート
-
メタバースは本当に幻滅期で終わったか?
リアル復権時代も大きい将来性、足元のデータや活用事例で再確認
2025年06月11日
-
2025年1-3月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率▲0.2%に改善するも民間在庫が主因
2025年06月09日
-
2025年4月消費統計
総じて見れば前月から概ね横ばい、先行きも横ばい圏で推移しよう
2025年06月06日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日