サマリー
◆2014年4月4日に量的・質的金融緩和は導入から1年を迎えた。本稿は、量的・質的金融緩和の成果と課題についてまとめたレポートの第二弾である。本稿では、量的・質的金融緩和の波及経路として企図されている、期待インフレ率の押し上げ効果について分析する。
◆期待インフレ率の動きを見ると、短期的な期待インフレ率には明確な上昇が確認できる一方、中長期的な期待インフレ率の上昇幅は限定的である。
◆中長期的な期待インフレ率を押し上げるには、日本銀行の金融緩和だけではなく、政府が実効性のある成長戦略を推進し、潜在成長率を押し上げる必要がある。
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