2024年11月07日
サマリー
◆2024年10月21日から11月2日にかけて、コロンビアのカリにおいて生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。当初は11月1日までの予定であったが、合意に達することができず、11月2日の朝まで議論は続いた。途中で帰国する国などもあり定足数を満たすことができなくなり、COP16は「中断」した。
◆期間中に合意された内容としては、先住民族に関する常設機関の設置や、遺伝資源に関するデジタル配列情報(DSI)から得られる商業的利益を発展途上国や先住民、地域社会と共有するための「カリ基金」の設立などが挙げられる。一方で、注目されていた昆明モントリオール生物多様性枠組みの進捗状況を把握するモニタリングフレームワークの設定に関しては合意ができていない状況である。
◆期間中には自然資本/生物多様性保全に取り組む各種団体からの文書の公表も相次いだ。TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)は自然移行計画に関するディスカッションペーパーと、意思決定に有用な自然関連データへの市場アクセスを向上させるためのロードマップの2つの文書を提示した。また、投資家のイニシアティブであるNature Action 100は、企業に求める6項目について、進捗状況を評価した結果を公表した。
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