自然関連の機関投資家イニシアティブ Nature Action 100およびSpringの動向

ポートフォリオの自然関連のリスクや機会を意識する機関投資家

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サマリー

◆自然および生物多様性の損失を防ぎ、回復することが世界的な目標として位置付けられている。政策的な動きが加速する中、機関投資家も自然/生物多様性の損失が自らのポートフォリオに与える影響に関心を強めている。今後、機関投資家から投資先企業に対する情報開示やエンゲージメントを求める動きが強まる可能性が高い。

◆2022年12月、機関投資家が主導するイニシアティブであるNature Action 100が設立された。投資先企業に対し、エンゲージメントを通じて自然の損失を抑え、回復することなどを求めていくという。2023年10月には責任投資原則(PRI)がSpringの立ち上げを表明した。2030年までに生物多様性の損失を防ぎ、回復するという世界の目標に機関投資家が貢献することを目的とするイニシアティブであり、署名機関に対し参加を呼び掛けている。

◆企業に求められる対応としては、2023年9月に自然関連財務情報タスクフォース(TNFD)から提言された“LEAPアプローチ”を活用して自然関連の依存、影響、リスク、機会を評価し、情報開示フレームワークに従って情報開示を行うことであろう。自然への依存が大きい、もしくは与える影響が大きい企業としてNature Action 100が挙げた8業種に該当する企業は自然関連の評価、情報開示に早期に取組むことが望ましい。

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