2026年02月05日
サマリー
◆排出量取引制度(GX-ETS)は2026年度から法的義務を伴う制度として本格稼働する。対象企業は、二酸化炭素(CO2)排出量が割当量を上回る場合、不足分を排出枠またはクレジット(J-クレジット/JCMクレジット)で調達(上限10%)することで、義務を履行することが求められる。
◆J-クレジットは当面の実務で使いやすく(JCMは現状、限定的)、制度義務化を契機に需要増が見込まれる。短期的な供給増が難しい中、需給のタイト化や価格の上振れが懸念される。
◆そのような中、企業の先進的な取り組み事例として、①バリューチェーン内での内製化、②特定企業等との相対・長期契約、③商社・自治体間の広域包括連携、④地域金融機関を通じた地域内循環、⑤プログラム型参画、によるクレジット確保が見られる。
◆市場購入の過度な依存を下げ、上流(創出)への関与と相対・長期での確保を基盤に、適宜、由来(クレジット創出の起源となるプロジェクト)・地域・相手先の分散を併用する計画的な確保が求められる。これらが供給・価格の不確実性への耐性を高める鍵となる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
政府が推進するグリーントランスフォーメーション(GX)実現への道筋と課題
2024年から本格稼働する「成長志向型カーボンプライシング構想」
2024年02月07日
-
カーボンクレジット市場の新たな規律と不確実性
VCMI登場後の市場と、企業に求められる戦略の頑健性
2025年07月24日
同じカテゴリの最新レポート
-
生物多様性条約第17回締約国会議の注目点
初回グローバルレビューで問われる、目標達成への道筋
2026年10月09日
-
防衛関連の投融資に関する欧州の議論
日本の金融機関・投資家への示唆
2026年10月01日
-
男らしさに蝕まれる男性の健康
英国初・男性の健康課題に対応する10年戦略の示唆を読み解く
2026年09月29日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日


