2008年07月25日
サマリー
◆6月26日の日ハウズ株主総会で、防衛策不発を求めた原弘産の株主提案は僅差で否決された。これを受けて原弘産は、2月18日付の買収提案に基づくTOB実施を見送ると発表した。
◆5度にわたる質問・回答の応酬を通じて双方が議論を尽くしたプロセスは、企業支配権の争奪戦における「望ましい在り方」を考える上で、示唆に富んでいる。
◆株主を納得させるだけの正当性を備えた買収提案の前には、防衛策は無力であるし、また無力であるべきである。買収の成否は株主の判断に委ねられることが望ましい。
- 2008年上半期ガバナンス回顧(1) CFSとアインの統合をイオンが阻止
~純粋持株会社に移行するイオンのグループガバナンスが注目される。~ - 2008年上半期ガバナンス回顧(2) TCIのJパワー株買い増しに中止命令
~外資排除を疑われない資本市場の在り方が平時より問われている。~ - 2008年上半期ガバナンス回顧(3) アデランスが経営陣刷新を発表
~経営トップを買収防衛策で守ることができなかった事例でもある。~ - 2008年上半期ガバナンス回顧(4) 買収防衛策を廃止する動きが相次ぐ
~防衛策の継続に意味があるのか、経営者に自ら問い直す気運が高まる。~ - 2008年上半期ガバナンス回顧(5) 日ハウズ株主総会で株主提案が否決
~買収防衛策の発動を巡って、買収側と会社側の間で議論が応酬された。~
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