2008年上半期ガバナンス回顧(4) 買収防衛策を廃止する動きが相次ぐ

防衛策の継続に意味があるのか、経営者に自ら問い直す気運が高まる。

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2008年07月18日

  • 藤島 裕三

サマリー

◆2005年以降に防衛策が廃止された事例は17 件、うち2008年上半期は7件と急増している。いわゆる「平時廃止」は全体の半数程度だが、直近は割合が高まっている。

◆買収防衛策の本来的な意義は、買収提案に際して交渉機会を確保することである。TOB規制の整備や有事導入を認める判例などで、事前警告型の意義は薄れている。

◆外国人投資家など資本市場は、買収防衛策に対する批判を強めるだろう。今後は事業戦略に自信がある企業を中心に、廃止事例が着実に積み重なっていくと思われる。

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